尼崎プチ巡礼の段

ウワサの看板
ウワサの看板

 大阪に出張に行ってきた。残念ながら日帰り出張である。

 

 出席した会議には、関西の自治体関係者が多く出席していた。会議の前後や休憩時間に名刺交換しながら、国の補正の執行停止はどうの、経済状態はどうのと話しをする。現下の関西経済は「どうにもこうにも」な状況で、金融機関の人が表現するところの「ハケ」(破綻懸念先)な状態な自治体も多いとのことである。

 

 「なんとかなりませんかね」なんて仰られても困るが、東夷(あずまえびす)な私から見れば、関西はポテンシャルがあるのに活用されていないこと6年は組並みである。たとえばあなたが名刺交換して話している相手は、会議が終わったら一目散に尼崎に行く気満々なオタクなんですよ?

 

 地下鉄を乗り継ぎ、JR大阪駅から快速電車に乗る。尼崎までは一駅。会議であった方の何人かに「関西の方がうらやましいです」と言ったのは、まぎれもなくホンネである。週末にでもひょいと電車に乗りさえすれば、あの尼崎にいけるのだ。もっとも、そんな説明してもとうてい理解は得られそうにないが。忍たま好きのビジネスパーソンは、常に孤独なのだ。

 

 さて、JR尼崎駅の改札の外に、あの看板を発見! 一気にテンションが上昇する。モンジに豆腐に…夕方のラッシュのなかで、ニヤニヤを必死にこらえながら写メする。すでにこの時点でずいぶんな不審人物である。ちなみにJRのHPによると、尼崎駅の住所は尼崎市潮江1丁目1番1号、立花駅の住所は尼崎市立花町1丁目1番ー1なんだそうである。やるな6いコンビめ。

 

 すでにこの時点で夕暮れなので、北口のモンジ地区を軽く歩いてから、南口のバス乗り場に向かう。阪神の駅に向かうバスがないかと思って見回していると、阪神杭瀬行きのバスを発見。さっそく乗ってみる。

 

 バスの車窓からぼんやり外を眺める。と、駅から遠からぬところで喜三太なる焼き鳥屋の看板がちらと視線を過ぎる。喜三太だと!? 動揺のあまりちょっと激しく反応してしまう。いや、でも、だって…喜三太って…! いかん、公共交通機関の中なのだ。自重しなければ。

 

 杭瀬の商店街でバスを降りる。大きな商店街である。隣接してひこしろ地区(尼崎市今福)もある。杭瀬一番街のアーケードの入り口にはWELCOME TO KUISEとあり、賑わっている。杭瀬市場のほうは昭和のにおいを感じる味のある商店街である。今度はゆっくり歩いてみたいものである。時代は杭瀬ですよ、大木先生! 

 

 今回、ちょっとだけだが尼崎を歩いてみて、もはやあらゆるものがツボであることを体感してしまった。今度はぜひ一日かけて、聖地をじっくりと巡ってみたいし、今回は失念してしまったレシートゲットもトライしたいものである。そして一日歩き回った疲れを、喜三太の焼き鳥とビールで吹っ飛ばすのだ。次回はぜったいそうしてやろうと固く誓って、梅田に向かう阪神電車に乗ったのであった。

 

 ほら、これで尼崎における消費の活性化にも、少しは貢献できるでしょ?