継続審議

東京都の青少年健全育成条例改正案がフルボッコになってたと思ったら、やはり継続審議になった。

 

http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100319_355763.html

 

今さらながら非実在青少年という概念がよく分からないのだが、小学生ならともかく中高生を背景描写から18歳未満かどうかを判断すると言うのは、言うのは簡単だが、そう簡単な話ではないのではないかと思われる。

 

都の見解↓

http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2010/03/20k3i601.htm

 

ちなみに、これが成立した場合、こんな風に不健全図書として指定され、包装のうえ、隔離して販売することが義務付けられる。コンビニでよくある、本棚の「成人向け」間仕切りの向こうに置くなどの措置が必要になり、都から委託を受けた人々が時々チェックしている。

 

http://www.tokyoto-koho.metro.tokyo.jp/file/koho/id/1632/f/5396/14605.pdf

 

個人的には、今回の条例案自体は、例の非実在青少年の考え方にちと疑問があるにしても、限定的な適用である限り、それほど問題がある内容とは思っていない(現状の不健全図書の指定もかなり抑制的で、はっきりいってこれが指定されてなくていいのかと思われるものが普通に流通している実態の方が問題と思うこともある)。ただ、この改正案の副作用については、もう少し考えた方がいいのではないかと思う。

たとえば忍たまや小松田さんなどの18歳未満キャラが登場する、性描写を含むCPモノを未成年者も入場可能な同人誌発売会で販売することは、条例違反になるわけである。そのような事態を避けるために、会場提供側が同人誌販売の会場提供を拒否すれば、コミケを含む同人誌販売が都内では事実上シャットアウトされる方向に流れる可能性がある。これって、ガン細胞を健康な細胞もろともごっそり切除するようなもので、都の、アニメを産業振興、観光活性化の面から支援していくという方向性と背反しやしないか? 少なくとも副作用が大きすぎるのでは? とも思ったりするのである。

 

ところで、一部の論調に非実在青少年と児童ポルノを混同して論じているところがあるが、それは別問題であろう。