安藤先生と比べると、文次郎の声はいかにも硬質である。それにシビレる大きなお友達が多いことも頷けるものがある。
「私は各委員会の委員長及び委員長代理を信じています」
言い切る文次郎がなんかカッコいいぞ。どうした。まだギンギン言ってないぞ。
「…とは言ったものの」
しかし忍び寄り、意識を捉える疑念。
「…でもあいつら、時々裏切ることがあるからなぁ…」
おお! 疑念に囚われ、顔を伏せる文次郎のカッコよさが倍増(当社比)したぞ!
そうなのか。懊悩する青年の美しい憂いとは、かくも大きなお友達のハートをわしづかみにし得るものなのか…!
とはいえ、予算の適正執行に関する調査は、文次郎的にはあまり好みではないようである。いつもなら後輩たちに迷わず命じているところだろうが、今回はなんだか遠慮がちである。文次郎を見つけて笑顔で(あらぬ方向に)駆け寄る左門が、なんだかキュート☆である。そしてそして、首をかしげる団蔵は今日も相変わらずキュート☆☆である…が!
…先輩の名前くらい、正しく記載すべきである。
しゅたっ! とカッコよく各委員会の予算の執行状況を調査に出かけた文次郎だが、だんだん見ているうちにイリュージョンに登場するアシスタントの美女の役割に見えてきてならなくなってきた。箱とかオリからよく登場しない? そういう美女って。あとは誰かが炎の燃え盛るサーベルを、文次郎が入った箱に突き刺して、箱のサイドを開けるとあら不思議…!
そして最後に残った会計委員会…が、そっと垣間見た後輩たちは、三木ヱ門の指導の下、まじめに委員会活動を行っていた。黙って天井板を戻す文次郎の安堵の表情に保護者を見たのは私だけだろうか。
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