保健委員会には「あきらめる」という言葉はないんです

あ食満しておめでとうございます。

 

…というか、のっけから50巻ネタバレで申し訳ありません。

以下延々とネタバレが続きますので、未読の方は回避推奨です。

 

全体的に、メッセージ性がこれまでになく濃厚なお話だった。

「希望」とか「可能性」というものが、これまでになく必要とされているという、だからこそ生きているとは素晴らしいという先生の思いが、ストーリーのあちこちにちりばめられているような、そんな気がした。

 

それにしても、文次郎とはけっこうアバウトな性格らしい。3人組の魂をテキトーに戻すというのは、これまでにない展開だが、仙蔵の解決方法にはまた、仙蔵S説を補強された思いをした読者も多かったに違いない。しかも、それをこの上ないさわやかな笑顔でやってくれるところが、仙様の仙様たる所以なのだろう。

 

保健委員会が(不運に見舞われながらも)活躍するというのは、近年まれにみる快挙と思われる。(といっても、私は落乱の古いのは持ってないから、かつてどうだったかは知らないが) 伊作は薬の製法をマニュアルなしで再現できるし、呪文唱えながら(陀羅尼助丸は高野山で見たことがあったけど、こういうお呪いがあることは初めて知った。つくづく落乱は歴史資料集でもあると思う)薬を調合したり、目立たないといわれている数馬もしっかり先輩してるし、必死で薬の材料を集めたり、アヒルさんボートごと沈没した伊作を救助に向かう乱太郎たちなど、もう健気すぎて顔から出るもの全部出ちゃいそうになったよ。(飛行機の中で読んでたので、さすがに自重)

 

1年ろ組、伏木蔵はともかく、ちびっちゃうキャラだと思っていた平太も、けっこう毒舌家らしい。なにこの畳み掛けるような「人望」とか「人徳」とか。それでもへこむ気配を見せない出茂鹿もけっこう滝夜叉丸的である。というか、今回の滝夜叉丸は出番が少ないうえになんか毒気が抜けているのか、印象が薄い。「忍術学園のアイドル」くらいは言うにしても、三木ヱ門に「アイドル」と言わせておいて放置など、ちょっと考えにくいのだが。

 

小平太という御仁は、相変わらず行動原理がわからないお人である。白南風丸の加勢がしたいんだったら、オーディションをぶち壊しちゃだめでしょ、ときちんと注意しないとダメである、長次君。

 

セリフにはっきり出てくるわけではないけど、今回のお話は「絆」というのもひとつのテーマだと思うのだ。保健委員会の絆もあれば、用具委員会の絆も…今回は、留三郎と作兵衛が共にいるシーンが多かったと思うが、なんといっても出色はしんべヱの「食満先輩ならきっと取ってくれると信じてましたあ」であろう。もちろん、留三郎がかわいい後輩の頭にアヒルさんボートの頭をくっつけたままにしておくはずがないのである。今回はコショウより安上がりな手段を見出したようである。けっこうアイデアマンなのかもしれない、留三郎。

 

それにしても、同室だから不運が移るのはともかくとして、「不運大魔王」って初出ではあるまいか。それなのに「もう慣れたよ」なんて言ってちゃダメである、伊作君。でもいいのだ。保健委員会には、兵庫水軍にも認められるど根性があるのだから。ああ、きっと大木先生が聞いたら大喜びされるに違いない。

 

…ふぅ。やっとここまで書いた。て、まだ第4章が残ってたw

この続きは、明日でも。