二次創作と著作権とTPPと

著作権法を文字通り読むと、二次創作というのは限りなくクロに近いグレーで、その販売は完全にクロではないかと思える。しかし、著作権法には二次的著作物という概念もあって、原作の翻訳や改変をいう。もっとも二次的著作物を作成、頒布するには原著作権者の許諾が必要なわけだが、著作権侵害は親告罪のため、勝手に二次的著作物が作成されたと思ったら、原著作権者が訴えて、二次的著作物が原著作権を侵害しているという判決を取らなければならない。

ただ、現実には巷(弊サイトも含め)にあまた溢れる二次創作に対して、原著作権者から侵害の訴えがされるケースはほぼないようである。でなければコミケなるイベントなど成立しようもない。ここらへんまでは、以前からあった著作権と二次創作のお話。

 

ところでTPPでは関税ばかり問題になっているが、実は20以上も交渉分野があって、そのひとつが著作権である。この分野では著作権の保護期間を現在の50年からアメリカが主張する75年にするかどうかのせめぎあいがあって、先日日経が変な飛ばし記事を書いていたが、二次創作も当然ながらコンテンツビジネスを抱えるアメリカ様としては容認するはずもない。そもそも現行法規を厳密に適用すれば、同人誌やpixivあたりで展開されている二次創作はほぼすべて違法状態である。

というわけで、その対策が二次創作OKマーク。著作権者が二次創作、販売をOKしてしまおうという試みである。著作権者と二次創作者を含めたファンの共存共栄を制度化していく契機になるのだろうか。

 

こういう解決法が著作権者の側から出てくるとは、つくづく日本とはいい国だと思う。