「星合の空」について語らせてくれ

あまりテレビを見ないせいか、忍たま以外のアニメについて語ったことはなかったような気がする。けど、ちょっとガマンしきれなくなったので吐き出させてください。

 

 

 

「星合の空」とは、七夕のことを言うそうである。七夕の夜、二つの星が出会うから星合なのだそうだ。

で、番組公式HPにある歌

 

なにごとも 変わりはてぬる 世の中に 契りたがはぬ 星合の空

          (建礼門院右京大夫集)

 

…もう、この歌にやられましたわ。

建礼門院右京大夫集には、七夕の歌が50首もあって、そのわけは建礼門院右京大夫が恋人だった平家の公達である平資盛と別れたのが、平家が都落ちした1183年7月、七夕の頃だったから。そして国家的動乱の中で恋人を喪った悲嘆を綴っていく建礼門院右京大夫集という作品こそ、世間の崩壊と悲嘆のアイコンのような作品だと思うのだ。

 

そんな作品からタイトルを引いただけで、もう最後に崩壊が用意されているも同然と思いながら見始めたこのアニメ。弱小ソフトテニス部をめぐる少年たちの青春群像劇なのだけど、テニス! 青春! 汗! 勝利!という要素がすごく薄い。ソフトテニス部をめぐる登場人物たちが抱えた事情や心の動きにむしろ重きを置いているんだろうなと思うほどである。

 

DV、児童虐待、過干渉、アダルトチルドレン、LGBT、特別養子縁組…いまの子どもたちを囲むあらゆる事象が登場人物たちに刻まれている。かつ、ソフトテニス部部員のほぼ全員が親との間になんらかの葛藤を抱えている。そのなかで、それぞれが苦しみを抱えているが、それでも仲間たちとソフトテニスに没頭している間だけは、重すぎる現実から解放される。でもそれはあまりに儚く短い時間…その後になにが訪れるかを考えるだけで息苦しくなるようで、でも見守らずにはいられない、すごい吸引力にすっかりハマってしまったのだ。

 

…はあ。あと2話で終わりかあ…なんか今から星合ロスになりそうな予感。