聖地巡礼その2(2)

 

さて、三反田公園のある三反田町だが、公園に隣接するのが立花南小学校のように、地図を見ると地名は三反田でありながら立花体育館とか立花南保育所とか、仙様に浸食されまくっている、やはり不運の影が色濃い町だったりもする。やはり強いキャラが隣接していると、相対的に影が薄くなってしまうのだろうか。

 

というわけで、三反田の隣は立花である。三反田公園で春日さんと地図を見ながら検討した結果、いきなり時友まで行ってみようということになったのだ。そして、時友まで行けるバスが立花駅を出発するのは15分後。何となく急げば間に合うんじゃね? と思って駅に向かう。バス乗り場についたのはきっかり15分後。

 

実は15分後というのは平日時刻で、休日はもっと時間に余裕があったことがバス停の時刻表で判明したが、結果オーライである。それより、仙様からしろべーまで乗車時間約30分とはこれいかに? これだけ乗っても均一運賃200円という尼崎市バスの太っ腹ぶりに感心すべきか、尼崎市域の端倪すべからざる広さに感心すべきかよく分からないがとりあえず感心しつつバスに乗る。

 

これだけの時間を乗っていても無為に過ごさせないのが尼崎の聖地たる所以である。途中、水堂先生(水堂町)とさくべ(富松城址)を経由するのだ。というか、前回富松城址を訪れたときにはバスの時間が合わなくて歩いたそのバスに、今まさに乗っているのだ。

 

時友バス停で降りる。このあたりは尼崎市バスの路線図でも西北端に当たる。そして景色は…食満そっくりである。

バス停そのものが、山陽新幹線の高架に沿った道路にある。そして周辺は住宅と畑が交錯した郊外の風景である。繁華街があるとはハナから期待していなかったが、予想にたがわぬ散文的な風景である。だがしかし、バス停のすぐそばに時友神社を発見!

 

時友神社は、由緒記によると奈良時代にさかのぼる歴史を持った神社であるらしい。時々目の前の高架を新幹線が通過する以外は実に静謐な境内である。ちなみに時友という町名は存在しない。このあたり、住所表示は武庫之荘8丁目ないし9丁目である。しろべはカワイイが、遠いわ町名にはないわで、巡礼するにはハードル高めのエリアである。

 

帰りのバスに乗って、武庫之荘駅の一つ手前で降りる。これから一平エリアに向かう。つぶらな瞳の一平だが、数馬と同じ運命の影を背負っているのか、町内に仙様が横溢している。上ノ島町のど真ん中には立花中学校があるのだ。仙様おそるべし。

 

ここでも公園を探して歩き回る。候補は二つ。うち一つは件の立花中学校の隣接地なのだが、こちらは上ノ島の名はついていなかった。町内の案内図を見ると、もうひとつは上ノ島西公園というらしい。これはぜひ到達しなければならない。

 

上ノ島町は時友あたりと違い、住宅密集地である。それも古くからの住宅地らしく、狭い道が交錯していて、今は一平の公園を目指してずんずか歩いているが、そのあと元の道まで戻れるのかよ、と思うような街並みである。

ふいに、家並みの間に公園らしい木立が見えた。あれだ! ついに一平の公園発見! と思って入り口がありそうな道に向かうが、そこに入り口はなかった。では別の場所か、とぐるぐる住宅地を歩きながら公園に至る道を探す。と、「この先行き止まり」という看板のある路地の奥に、公園らしい木立が見えるではないか。それこそがまさに探していた上ノ島西公園だった!

 

小さな公園である。ちょっとした遊具と広場があるだけ。しかも公園へのアクセスは行き止まりの路地一本。おまけに周辺は細くて入り組んだ路地の住宅密集地である。これは聖地でも到達困難度では最上級レベルであろう。というか、よく辿り着いたものである。きっと愛とか妄想とかその他もろもろの情念に導かれたのだろう。

 

上ノ島のバス停に出る。ここから本日の最終目的地、春日さんが見つけてくれた焼き鳥屋に向かう。その名も地鶏一番 小平太! しかもアドレスは七松町である。なんということか、現実と妄想がシンクロしているような妙な気分にさせられる。リアルでこんなことが存在してもいいの? と思いつつ、店に入るとそこにはいきなり六ろのお二人を描いた巻物やら小平太を描いた色紙たちやらが壁を埋めている。そしてお店の人は当然のように入門票(だったっけ?)とスケッチブックと色鉛筆を置くのだった。

 

喜三太を上回るマニアフレンドリーぶりに魂が抜ける思いをしたが、当然ながら焼き鳥をオーダーする。このお店では焼肉屋のように客席で自分で焼いて食するスタイルである。全般的にうまかったが、あそこまでやわらかく臭みのないレバーは初めてである。あのレバー食べに再訪してもいいくらいである。

 

さて、お店の人は小平太を描くなら色紙もありますよ、とありがたいお言葉をかけてくれるのだが、春日さんは一はクラスタの方だし、私はそもそも描けない人なので色紙は辞退する。スケッチブックに春日さんがさらさらと一はメンバーを描いていくのを驚嘆しつつ眺める。30分かそこらで下書きからペン入れまで終わらせてしまった。というわけで、春日さんの一はイラストは小平太の№4のスケッチブックにあるので、訪れた向きはぜひチェックすべし。

 

相変わらず無駄に長くかつウザい巡礼記だったが、今回もお付き合いいただいた春日さん、お疲れさまでした&ありがとうございました!

 

 

本日の巡礼地

潮江→久々知→尾浜→三反田→立花→水堂(バスで通過)→富松(バスで通過)→時友→上ノ島→七松(小平太)

 

半日で10箇所! うむ、疲れるわけである。

 

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